フェルミ推定のやり方・解答手順を解説!例題やおすすめの書籍を紹介[PR]

「フェルミ推定って何だろう?」
「フェルミ推定のやり方が知りたい」
フェルミ推定に興味・関心を持ち始めた方は、こういった疑問をお持ちではありませんか。
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を以下の順に解説します。
|
コンサルタントを目指す方や、論理的思考力を鍛えたい方に役立つ記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
フェルミ推定はくだらない?基礎知識をおさらい

「フェルミ推定はくだらない」という声があるのは、多くの書籍が発売され「突拍子のない質問」に答える思考力が測れなくなっていることが理由のひとつです。
とはいえフェルミ推定は、現在でもビジネススキルを養う上で有効な手段とされています。
ここではフェルミ推定の基礎知識のおさらいとして、以下の3項目を解説します。
|
1項目ずつ確認していきましょう。
フェルミ推定とは?
そもそもフェルミ推定とは、実際には調査することが難しい数値を、論理的思考を用いて推定する方法です。
具体的にデータが足りていなくても、自らの仮説をもとに数値を導き出していきます。
フェルミ推定は欧米では学校教育で、日本ではコンサルティングファームや投資銀行などの採用面接で用いられ、日常生活からビジネスまで幅広いシーンで応用されています。
フェルミ推定がコンサル業界で重視される理由
フェルミ推定は論理的思考法を鍛える方法として、コンサル業界の採用面接で出題されることが多いです。
フェルミ推定が重視される理由は、コンサルタントが答えを論理的に導き出す力が必要とされているからです。
コンサルタントは顧客である企業の複雑な経営課題を解決する際に、必ずしも情報が揃っているとは限りません。
そういった場面で仮説を立てて、答えを論理的に導き出す必要があります。
フェルミ推定の例題・解答方法
フェルミ推定には「アメリカのシカゴには何人のピアノ調律師がいるか?」という有名な例題があります。
この例題を解くためには最初に、シカゴにあるピアノの台数を割り出していきます。
まずシカゴの人口を300万人と仮定します。
その後、1世帯当たりの人数は3人、ピアノを持つ世帯は10世帯に1つだと仮定します。
つまり「300万人÷3人÷10世帯=10万台」という計算になり、シカゴにあるピアノの台数は10万台です。
続いて、1人の調律師が担当する年間のピアノの台数を割り出していきます。
調律師は1人3台のピアノ調律を行い、年間250日働くと推定できます。
1台のピアノを調律する頻度を年1回とすると、「3台×250日=750台」という計算になります。
つまり1人の調律師が担当するピアノは年間で750台です。
まとめるとシカゴには10万台のピアノがあり、1人年間750台の調律を行うため、「10万代÷750台=133人」という計算になります。
つまりシカゴには130人の調律師がいると答えを出すことができます。
フェルミ推定のやり方・解答手順

ここからはフェルミ推定のやり方・解答手順について、以下の4ステップで解説します。
|
1ステップずつ詳しく確認していきましょう。
1.前提となる条件を確認する
まずはフェルミ推定に必要な条件を確認します。
フェルミ推定で出題される問題は設定が曖昧なことがあるため、前提条件について不明点がないかひとつずつ確認しましょう。
特に問題の中の言葉が、どこまでの範囲を指しているのかを確認する必要があります。
例えば「カフェの売り上げ」という言葉に喫茶店は含まれるのか、「ス-パーの売り上げ」という言葉に海外のスーパーは含まれるのかを事前に確認しましょう。
いきなり答えを導き出そうとすると非効率になるため、まずは必要な条件を事前に確認することが重要です。
2.要素を分解して公式を検討する
前提条件を明らかにした後は、要素を分解します。
要素の分解とは、複雑な数値を計算しやすい数値に分けていくものです。
例えばシカゴのピアノ調律師の人数について推定する場合、いきなり人数を割り出さずに、シカゴの人口と世帯数、ピアノを持っている世帯数など細かな数値を洗い出していきます。
そしてその数値を当てはめる公式を検討します。例えばシカゴにあるピアノの台数を割り出すには、「シカゴの人口÷1世帯当たりの人数×ピアノを持つ世帯の割合」という公式を用います。
まずシカゴの人口から世帯数を割り出した後、ピアノを持つ世帯の割合を掛ける流れです。
3.分解した要素に把握している数値を当てはめる
要素の分解と公式の検討を終えたら、数値を当てはめて計算していきます。
その際、全て完璧な数値を割り出そうとする必要はなく、感覚的に推定する数値を当てはめても問題はありません。
なお、フェルミ推定を効率的に進めるためには、公式が完成してから全ての数値を当てはめることが重要です。
4.妥当性を検証する
計算を終えて解答が出たら、数値の妥当性を検証しましょう。
その数値が明らかに妥当でない解答だとすると、どこかで計算ミスや公式間違いをしている可能性があります。
例えばシカゴのピアノ調律師の人数を割り出す際に、シカゴの人口よりも多いはずはありません。
採用面接で数値の正解を追求するよりも、妥当性を検証したいところです。
妥当性について一言添えられると、採用にプラスに働くことが多いです。
フェルミ推定で面接官が評価するポイント

コンサルタントの採用試験で行われるフェルミ推定は、正しい解答を出すことが評価ポイントではありません。
ではどういった点が評価されるのでしょうか。
ここからはフェルミ推定で面接官が評価するポイントとして、以下の3点を解説します。
|
1点ずつ詳しく確認していきましょう。
抽象的な物事を具体まで分解できるか
フェルミ推定では、抽象的な物事に対して具体まで分解できる力が確認されます。
この力をコンサルタントの仕事に活かすことができるためです。
コンサルタントの仕事は、顧客の曖昧な経営課題に対して、仮説を立てて解決方法を導き出していくことです。
情報は定量データが揃っておらず、時には曖昧な問いもあります。
そういった中で、手元の情報で論理的に答えを導き出す必要があります。
思考プロセスに整合性はあるのか
フェルミ推定で面接官は、思考プロセスに整合性があるのかをチェックしています。
導き出した数値の正答よりも、その過程のつじつまが合っているかどうかが重視されます。
整合性を深掘りすると、例えば仮定した数値が常識的な範囲なのか、正しい公式で計算できているのか、また話の途中で考え方がぶれていないかなどが見られています。
論理的に説明できるか
フェルミ推定では、論理的に説明できるコミュニケーション能力の高さも評価の対象となります。
採用面接でフェルミ推定が滞りなく進められたとしても、仮説や要素の分解、公式などを順序立てて説明できなければ、アピールすることができません。
また論理的に説明することとあわせて、簡潔に分かりやすく伝える能力も重要です。
フェルミ推定が学べる書籍3選

ここからはフェルミ推定が学べる書籍として、次の3冊を紹介していきます。
|
どういった書籍なのか、コンサルティング業界でどう活かせるのかをチェックしてみてください。
『地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』東大ケーススタディ研究会
『地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』は、1,000問のフェルミ推定を研究し戦略コンサルタントに内定した東大グループが、フェルミ推定を体形化しています。
誰にでも分かりやすく書かれているので、今からフェルミ推定を学びたい方におすすめです。
本書はフェルミ推定の基礎を解説しているだけでなく、15問の実践問題が掲載されています。
実践しながらフェルミ推定に慣れたい方に適した1冊です。
『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』細谷功
『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』は、ビジネス誌「Think!」で反響が大きかった「フェルミ推定で鍛える地頭力」をもとに書籍に書き下ろしています。
本書は「地頭力とは何か」から始まり、どのように鍛えていくのか、フェルミ推定をビジネスにどう応用するのかなど本質的な部分を解説しています。
フェルミ推定への理解を深めることはもちろん、コンサルタントに必要な地頭力について根本から学びたい方におすすめです。
『ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術』高松智史
『ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術』は、2,000回以上講義を行った高松智史氏が、読者に講義をしているように書かれています。
本書では「フェルミ推定は何者か?」から始まり、解法ストーリーや話し方、鍛える方法などを丁寧に解説しています。
また最後の第8章目には「フェルミ推定とコンサル面接」という見出しがあり、コンサル面接について具体的に解説されています。
コンサルタントへの転職時に読んでおきたい1冊です。
まとめ

フェルミ推定は正確な数値を割り出すことが目的ではなく、思考プロセスの整合性や論理的思考力などが重視されています。
コンサルタント以外にも、ビジネスパーソンとしてより飛躍したい方は、フェルミ推定の習得を目指しましょう。
ITコンサル案件比較ではフリーコンサルタント向けに、案件獲得や職種のお役立ち情報を公開しています。
コンサルタントの情報を収集したい方は、ぜひチェックしてみてください。